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2016.08.02更新

 死亡した時に生命保険金を生命保険会社から受け取ることがあります。相続税の申告ではこの受け取った生命保険金は、みなし相続財産として相続税の対象になります。

  この死亡保険金は、受取人が相続人である場合は法定相続人1人につき500万円の非課税枠があります。例えば法定相続人が2人の場合は 500万円×2人=1000万円までは相続税はかかりません。

 ここで注意!!
 
  もし受け取った死亡保険金が、契約者貸付金を控除されて入ってきた場合はどうなるんだろう?

   生命保険は、保険契約の解約返戻金の範囲で保険会社から資金を借入れることが出来ます。この借入金を「契約者貸付金」と言います。
 死亡した人が、この契約者貸付金を利用していた場合、保険会社は死亡保険金の支払時にこの契約者貸付金を控除して支払うようになります。

 例えば1000万円の死亡保険金の生命保険契約で、500万円の契約者貸付金があった場合は 
   死亡保険金 1000万円-契約者貸付金 500万円=受取保険金 500万円

 手元に入るのは、500万円です。
 
 この場合相続税の申告書に
  ①生命保険金としては 1000万円を計上し、契約者貸付金は債務なので債務控除として500万円を計上する  

       ②受け取った保険金500万円を生命保険金として計上する

 正解は②の実際に受け取った死亡保険金500万円の計上です。生命保険には500万円の非課税枠がありますので、この処理を間違えると大問題です。例えば法定相続人が2人の場合

 ①の処理では  1000万円-法定相続人2人×500万円=0円
         債務控除   契約者貸付金  500万円 になり相続財産が500万円減少します。

 ②の処理では  500万円-法定相続人2人×500万円=0円           
                       債務控除はありません。

 結果相続税の課税価格が500万円も違ってきます。十分注意しましょう。
 松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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