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2015.09.30更新

相続を初めて経験しますと、いろいろとわからないことが出てきますので、お客様が事務所に何度も相談に来られます。

 先日、相続の申告を依頼されたお客様が、事務所に来られ「預貯金を死亡後に全部引き出してしまって自分の通帳に入れてしまった。弟にその中からお金をいくらか渡そうと思うが、これは贈与になるのかな?」と言われました。

 このように、相続財産を相続人の一人がすべて相続して他の相続人に金銭等の資産を交付することは相続ではよくあることです。これを「代償分割」と言います。

 代償分割は、相続財産が不動産だけで分割することが困難だったり、相続財産が亡くなった方の会社の株式だけで相続人1人が会社を引き継いだ場合などで使われます。遺産分割協議を行う上で、大変有効な方法です。
 例えば相続財産が亡くなったお母さんの住んでいた自宅しかなく長男の方が同居していた場合で、他に相続人としてお嫁に行った妹さんがいる場合は、長男は自宅を売って妹さんに遺産分割を行うことは現実的な話ではありません。 このような場合、不動産を長男がすべて相続して、そのかわりに妹さんにいくらかの現金を渡すことで遺産分割協議がまとまります。

 代償分割する上で注意するところは、必ず遺産分割協議書の中に記載しなければいけません。不動産の相続の分割協議書だけで、その後の金銭のやりとりが記載されてないと長男から妹さんへの贈与となり贈与税がかかります。遺産分割協議書に代償として金銭を支払うことを記載します。 
  また代償分割は相続の一環ですから、お兄さんから金銭をもらったとしても相続財産を取得したことと同じですので、贈与税はかかりませんが相続税の対象になります。相続税がかかる相続の場合は、相続税を負担することになります。

   もうひとつ注意することは、金銭以外で代償分割する場合は譲渡税(国税+住民税)がかかります。たとえば土地を代償財産として渡した場合は、その土地を売却したと見なされて譲渡税がかかりますので注意してください。(株式なども同じです)

 遺産の分割協議においては有効な方法ですので、検討することも必要です。
                                                                松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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