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2017.03.31更新

 今年の1月31日、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)において、「相続対策のための養子縁組でも直ちに(養子縁組が)無効になるとは言えない」と言う判断を示し、相続対策の養子縁組を認める判決が下されました。 私たちも相続税対策で養子縁組の話をしてきましたので、一安心したところです。

 今回は、相続税対策の一つである養子縁組のメリットとデメリットをお話しいたします。

 現在相続税法では、法定相続人の数に含めることが出来る養子の数は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までになっています。民法上では、養子の数に制限はありません。

(1)養子縁組のメリット(法定相続人の数が増える)

 1.相続税の基礎控除が増える(法定相続人1人につき600万円)

 2.生命保険金の非課税枠が増える(法定相続人1人につき500万円)

 3.死亡退職金の非課税枠が増える(法定相続人1人につき500万円)

 4.相続税の税率が下がる(相続人の取得する相続財産が減るため)

 養子縁組をしますと、法定相続人の人数が増えますので、それにより各控除が増え相続税が少なくなると言うメリットがあります。

 しかし、相続税は確かに少なくなりますが、それ以上に大きな問題が発生する可能性が出てきます。 

(2)養子縁組によるデメリット

 1.養子縁組を行うと言うことは、他の相続人にとってみれば自分の相続分が減ることになりますので、遺産分割においてもめることがあります。(争続になります)事前に他の相続人に了解を取っておくことを、おすすめいたします。

 2 .孫を養子縁組した場合は、その孫に係る相続税は2割増加します。(相続を1回飛ばしたと見なされるため)
 3.養子縁組を解消することが難しい場合が多い。

 相続税は減っても、相続人の間で醜い相続争いになってしまい、親族崩壊になってしまっては、何のための相続対策かわかりません。それだけ養子縁組は大きな問題を含んでいますので、十分話し合ってから実行してください。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.03.01更新

今確定申告に、毎日頑張っています!!

 今回の平成28年の確定申告から、申告書にマイナンバーの記載が必要になりました。ついにマイナンバーの時代がやってきました。 今後定着するかは不明ですが、このマイナンバーの導入による相続税の影響を考えてみました。

 相続税の申告で一番大変なのが、亡くなられた方の預金や有価証券の把握です。お子さんと同居されていて、お子さんがすべての財産を把握している場合は問題ないですが、そのようなことはまで、ほとんどの場合が亡くなられた方本人が管理してますので、遺族は相続財産が分かりません。過去に、相続の税務調査で税務署が預金漏れを指摘して、相続人が初めてその預金の存在を知ったと言うことがありました。

 預金口座や証券口座などには、平成33年からマイナンバーの記載が義務化の予定になっています。こうなりますと国は亡くなった方の預金や有価証券等の相続財産を完全に把握することが出来、よりいっそう相続税の徴収が厳しくなると思います。

 しかし国が相続財産を完全に把握できるなら、その情報を相続人が国に請求した場合は、開示してくれなければ不公平ではないでしょうか。相続人が開示請求できれば、今より財産調査に時間を費やすことなく正確に計算できることになります。相続人も、後でもめることがなくなると思います。

 また、今までのような生前贈与による相続対策も、預金間の動きが国に完全に把握されますので、しっかり贈与したと言う証拠を作らないと、今まで以上に名義預金とされてしまいます。ご注意を!!

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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