相続担当スタッフブログ

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2014.02.20更新

相続税を計算する際の財産の価額は、その財産の取得の時における時価によります。
取得の時とは被相続人が亡くなった時となります。では、被相続人が亡くなってしまってからでは、相続財産は安くすることはできないでしょうか?

いやいや!あきらめるのはまだ早い!相続税の財産評価通達をみますと、相続人の遺産分割の方法により、評価額が変わるものもあるのです!
代表的な例が土地です。遺産分割のために土地を分筆する場合、その土地は分筆前の土地全体の評価額によるのではなく、分筆後の各土地の評価額の合計によりますので、全体としての評価額が変わることとなります。

この場合、気を付けなければならないのは、分割の方法によっては、評価額が高くなる場合もあります。また、その遺産分割が著しく不合理とみなされるような場合、全体を一つ土地としてその価額を計算した上で、分割後の面積で按分します。つまり、分割前の相続開始の時の状態での評価となります。

相続対策により、土地の分割を検討する場合には、これらの分筆後の形状による評価であることを十分考慮して行うことが重要になります。くれぐれも「評価が安くなるように分ける」といった発想をしないように!遺産分割の基本は、各相続人に適した分割です!
※ 不合理分割の例

       B土地
       A土地
 ~ 道 路 ~

このように分筆した場合、B地は無道路地となり相続税評価は大幅に安くなり、A地は帯状地となり、これも評価額は安くなります。このような分割は相続税の負担軽減を狙ったものとみなされてしまいます。

    
松本 浩康

投稿者: 税理士法人あけぼの

2014.02.20更新

 この頃よく聞く言葉に、「終活」という言葉があります。終活セミナーというのもあるそうで、私の母にも誘いがあったようです。「就活」就職活動ではありません。

 「終活」とは、人生の終わりをより良いものとするための、事前準備をすることです。例えば、自分が亡くなった後の葬儀の仕方や、お墓の用意などがあります。また、家族に対する自分の思いをエンディングノートというものに書き残すことも「終活」のひとつです。

 相続税の申告書を作成することは、相続人の全財産を評価して相続税の計算をすることです。そして相続人の全財産を洗い出す作業が申告書を作成する上で一番大変な作業になります。亡くなった方が、亡くなる前に私どもにこれだけの財産があると、説明していただいていれば、すぐ全体の財産がわかります。しかし、多くの場合亡くなった後に相続人の方が相続税の申告を依頼にみえます。その場合、亡くなった方の全財産を、相続人の方が把握していることはほとんどありません。不動産等は自宅のある場所の役所で、亡くなった方の固定資産税の明細等を取得すれば、なんとかわかりますが、自宅のある場所以外に不動産をもっていたりすると、わからないこともあります。預貯金・有価証券については、把握できないことが多々あります。以前、相続税の申告が終わってから、税務署の調査があり相続人の方の知らない海外預金がありますと、税務署の方から逆に教えていただいたようなこともあります。

 「終活」のエンディングノートの作成のなかに、自分の財産の内容を記入するものがあります。自分の相続人などにメッセージ残すこととも大切ですが、自分の財産の明細を作成して残しておいていただければ、大変相続がスムーズに進みます。また、ご自分が一生懸命働いて作った大切な財産を、しっかり後に残った人に渡すことが出来ます。

 遺言書を作成しておくのも良い方法ですが、公正証書遺言でないと亡くなった後すぐに財産の内容がわからないことや、遺言書自体その存在があきらかでない場合があります。子どもがいない場合など遺言書が役に立つことは以前のブログで紹介しましたが、遺言書を作成しない方も、エンディングノートなどを使ってぜひご自分の財産明細を残しておいて下さい。
                                                              松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2014.01.20更新

「時価」。私は慣れていないので、値札の無いお寿司屋には今でも一人では入れません。寿司屋の会計の時に「えっ!ごめんなさい。手持ちがないので払えません。明日払いますので、免許証でも置いて行ったら良いですか・・・」なんて想像しただけでもドキドキしてしまいます。でもお寿司は食べたし。そんなニーズから回転寿司というスタイルが繁盛しています。
これと良く似ているのが相続税。申告をさせて頂くときに、「どれくらいかかりますか」って、恐る恐る聞く方がみえます。相続税額がいくらか、わからないで生活しているのは、まさに時価と書かれたネタを食べているようなもの。イザ相続税の支払いの時になってもう「少し安くすることは出来なかったのか」と後悔しても時すでに遅し。こんなに高いのだったらもう少し安いものを食べておけば良かった!!

相続財産は誰がみても金額がわかる現金や預金だけでなく、土地や自社株など価格がわかりにくいものもたくさんあります。特に自社株は評価方法が複雑なうえに、毎年価格が変わるので評価額を認識することが非常に難しい財産です。また、市場性がないので、この財産は相続でもらっても現金化しにくいのが実情です。価額がわかりにくい、毎年変化する、イザという時に思わぬ金額となるなど、まさに「時価」の王道ともいえましょう。

☆寿司屋の時価から回転寿司へ

そこで、私どもの会計事務所では、法人のお客様には決算ごとに株価がいくらになっているかお知らせするサービスに取り組んでいます。時価と書かれたお寿司屋から回転寿司の明朗会計へ。安心して次の世代に会社や財産を引き継ぐことができるようにするためには、まずは「今いくら」を知ることが第一歩と考えています。
                                              
松本 浩康

投稿者: 税理士法人あけぼの

2014.01.20更新

父が亡くなってから、約5年が経ちます。父の葬儀の時、親戚をどこまで葬儀に呼べばいいのか、また誰が親戚なのかわからず連絡をどうしたらいいか、困ってしまいました。このとき家の家系図があれば助かると思いました。

戸籍が無くなる!!
 知っていますか? 除籍謄本の保存期間が法律で150年(平成22年に改正それまでは80年でした)と定められていて、それを過ぎると廃棄することがあるそうです。(各市町村によって対応が違います)今から150年前は西暦1864年です。明治維新が1868年ですから明治初期に除籍になった戸籍は廃棄される可能性があります。自分の家系が3代ぐらい前まではわかりますが、それより前は不明になってしまいます。また、大震災などで役所が消滅してしまうことによって、失う場合もあります。

自分のルーツが消えてしまいます!!!

  ただでさえ、先祖を敬うことが失われつつある現在、自分の先祖がわからなくなると、より考えなくなり、葬儀を始めいろいろな冠婚葬祭等が自分たちだけが良ければと言う個人主義になってくるように思います。

家系図作成のメリット !!

 平成27年より相続税の基礎控除額が現行の6割(定額控除3,000万円+法定相続人数比例控除1人600万円)になることが決まっています。それにより現在より多くの方が、相続税の対象になると思われます。また、離婚、再婚が別段特別なことと見られなくなってきた現在、家庭が複雑化してきています。過去の相続の案件でも相続が始まってから、相続人に自分の知らない相続人がいることがわかったケースがあります。相続をスムーズに進めるためにも家系図を作りましょう。

  でも一番重要なことは、自分の先祖を知ることによってご先祖様を大切にし感謝し、子どもたちにそれを伝えることにより子どもたちにもその心を伝える。それにより家族を大切にし、親戚とも親しくつきあうようになることだと思います。
松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.12.23更新

先日、所長から相続人がいない場合について質問がありました。最終的には国庫に帰属されることは分かっていても、それまでの課程が分かりませんでした。ここで調べてみました。
 現代社会は、核家族化が進み意外と相続人がいない場合があるようです。
 相続人が明らかでないことを、「相続人の不存在」と言うそうです。この状態は、戸籍上の相続人がいない場合のほか、相続人全員が相続の放棄した場合や、相続欠格や推定相続人の廃除によって相続資格を失っている場合も含みます。しかし戸籍謄本で相続人がいないからすぐ「相続人の不存在」が確定するわけではではないようで 、以下の一定の手続きが必要です。

相続人の不存在の確定手続き
  ①相続財産管理人の選任
  利害関係人からの請求により、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任します。
 ②相続財産管理人の選任の公告
    相続財産管理人を選任した旨の家庭裁判所の公告(2ヶ月)
   
 2ヶ月以内に相続人が現れない場合
 ③債権者・受遺者に対する債権申し出のの公告
    管理人は遅滞なく債権者や受遺者に対して2ヶ月以上の期間を定めて債権を申し出るよう公告します。(申し出期間が経過し、申し出人がいたら清算に移ります)
   
   2ヶ月以上の債権申し出期間内に、なお相続人が現れない場合
 ④相続人捜索の公告  
    債権申し出期間が満了後、なお相続人が現れないときは、上記精算と平行して、管理 人の請求によって、家庭裁判所は6ヶ月以上の期間を定めて「相続権主張の催告」をし ます。このことを相続人捜索の公告と言います。

   6ヶ月以上の公告期間が経過したとき
 ⑤相続人不存在の確定  

    3ヶ月以内に特別縁故者の申立にもとづき、相続財産の全部または一部が分与されます
 *特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者や、療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者(内縁の妻・事実上の養子等)

 ⑥残余財産の国庫帰属

以上の手続きを経て相続財産は国に没収されます。こうならないよう、やはり遺言書を事前に作っておきましょう。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.11.27更新

つい先日非嫡出子の相続分が嫡出子の1/2とする民法の規定に違憲判決がでましたが、事務所で最近異母兄弟の方の相続の申告を行ったこともあり半血兄弟姉妹と全血兄弟姉妹の相続分の1/2と混同するところがありました。ここで、はっきり区別しようと思います。

 非嫡出子とは
 
 非嫡出子とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子を言います。そして相続の権利がある非嫡出子は、父親から認知をされた子だけです。したがって例えばDNA鑑定をして親子関係が事実とわかっていても認知されてなければ相続の権利はありません。そして今の民法では非嫡出子の法定相続分は嫡出子の半分です。このことに最高裁で違憲判決が出ました。

 半血兄弟姉妹とは

 半血兄弟姉妹とは、父母どちらか一方のみを同じくする兄弟(異母兄弟・異父兄弟)のことを言います。たとえば先妻の子とか後妻の子の関係です。
 また、全血兄弟姉妹とは、父母双方を同じくする兄弟姉妹をいいます。
 よく半血兄弟姉妹の相続分は、全血兄弟姉妹の1/2と言いますが、ここで上記の非嫡出子の1/2と違うのは、親の相続分を言うのではなく、兄弟間の相続分を言います。

従来の非嫡出子の法定相続分

 法定相続分は、配偶者1/2、子は残りの相 続分を、子の数で分けますが、従来は非嫡出子Bは嫡出子Aの1/2ですので、Aは2/3とBは1/3になります。

   子Bは非嫡出子で認知されています。そうしますと嫡出子Aの1/2が法定相続分です。

半血兄弟姉妹の法定相続分

 先妻の子Aは、被相続人(同じ先妻の子)とは全血兄弟です。後妻の子Bは半血兄弟(母親が違うため)です。法定相続分も子Aの1/2になります。しかし父親からの相続分はA・Bも同じになります。

 結局、今回の最高裁の判決で嫡出子と非嫡出子の相続分が同じになると、父親からの法定相続分には差が無くなり、半血兄弟姉妹の関係と同じになると言うことです。

 2回前のブログで話しました遺言の話と同じで、子どもがいない夫婦や、結婚していない兄弟で、すでに親が死亡している場合は異母兄弟と、愛人の子に相続権が発生しますので遺言書を残しておかないと大きな問題が発生します。十分注意して対策をして下さい。 

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.10.22更新

よく相続税の対策として、養子縁組が取り上げられています。
 確かに養子縁組をすることによって、相続税が少なくなる場合があります。
例えば、相続税の基礎控除が法定相続人1人増えることにより1,000万円増えます。(ただし平成27年1月1日より600万円になります)また、生命保険・死亡退職金の非課税枠が500万円増加します。確かに、基礎控除が増えたり、非課税枠が増えれば相続税は、減少するでしょう。

 でもここで注意して下さい。

 養子縁組をすると言うことは、相続人が増えると言うことです。当然相続人としての権利も発生します。それは、他の相続人ともめる危険も増えると言うことです。

 私の知っている方の話です。
 Aさんは、そこそこ相続税がかかるぐらいの資産家でした。相続税が少なくなるならばと、息子さんのお嫁さんと養子縁組を結びました。まだ息子さんは若く、結婚して10数年たっていましたが仕事の都合上Aさん夫婦とは同居していませでした。お孫さんも2人いましたが、年に1,2回Aさんの家に遊びに来る程度でした。そんなある日Aさんの息子さんが不慮の事故で亡くなられました。息子さんのお嫁さんとは、養子縁組をしているからと言っても一度も同居したことが無く、お孫さんともほとんど付き合いがありません。そんなお嫁さんが養子縁組をしているのだから自分の生活費と、子どもが大学を出るまでの生活費及び学費をすべて払って下さいと言ってきたそうです。息子さんが亡くなってしまい、今はまったく他人と同じようになってしまったけれども、お金の請求だけはくると言っていました。養子縁組を解消するには両人の承諾がないと出来ません。解消することも無理のようです。
 今後ずっともめることは目に見えて明らかです。またAさんには他に娘さんが2人います。Aさんが亡くなった後も相続でもめると思います。

 目先の相続税対策で、養子縁組をしますと後々問題が発生することがあります。十分に検討してから養子縁組をして下さい。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.09.25更新

先日、お盆の8月14日に、テレビを見ていましたら、今時の葬儀-お墓事情をやっていました。それを見て私は驚き、これからの日本は大丈夫かなと考えさせられました。

①葬儀も変わる
・直葬(ちょくそう)
 ちょくそうと呼ぶそうです。通夜や告別式などの宗教儀式を行わず、病院から直接火葬されることから、直葬と云うそうです。近親者など限られた関係者のみで行え、葬儀費用も安価で時間も短くできることで、大都市などで増えているそうです。
 2013年のNHKの調査によると関東では葬儀全体の20%つまり5分の1が直葬だと云うことです。
②お墓も変わる
 1.納骨堂
     「納骨堂」はもともと遺骨をお墓に納骨する前に、一時的に保管しておくところでしたが、今はそれがお墓として使われるようになったそうです。お寺のお堂をロッカーのように仕切り、お参りするお墓を設置し、親族がパネルで名前を入力すると遺骨が運ばれてきてお墓に納まるようです。
     お墓を建立するにも、全国平均で150万円強もかかり、自分の家から遠くはなれていたりといった問題が解決できることからこのロッカーのようなお墓が増えているようです。
   
  2.自然葬-「散骨」「樹木葬」
        自分の家のお墓は造らず、海や空に故人の骨をまいたり、共同墓地の中にお墓の代わりに樹木を植え、遺骨をその周りにまいたり、骨壺で埋葬したりするそうです。
       
 葬儀もお墓も、現代人の価値観の変化、経済的事情、人間関係の希薄化が影響しているように思われます。
 このような、御先祖様を大切にしなかったり、家系(家族)を大切にしないような個人主義的な考えが、相続の時に財産を法定割合で分割をしないと損だという考えになるのではないでしょうか。

 どんどん日本人が、ダメになっていくようで将来が心配です。

家系が繁栄する秘密の話?

 最近の人は、上記のように直葬やお墓を粗末にしています。
 あなたの周囲の代々続いている名家はどうでしょう。
 葬儀や先祖のお年忌を粗末にしているでしょうか。
 ここに、家が繁栄する秘密があるのです。
松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.09.19更新

相続税の節税対策のツボは「財産の評価を下げる」、「評価の低い財産に変える」などといわれます。では、いったい財産の評価とはいかなるものか。ということについてみてみたいと思います。
 相続税の基礎となるのは、「相続財産の価額」であり、その財産の価額は、「取得の時における時価」と定めています。この取得の時とは、相続税の場合は、被相続人の亡くなった日をいいます。

☆では時価とは

 相続税の基本通達に「時価の意義」として、次のように書かれています。
「財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。」

 ここでは、時価について2つのことが書いてあります。
ひとつは「時価とは、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう。」⇒そう、お店で売っている商品が高いと思ったら買わないし、ちょうど良いと納得した値段で買います。その値段を時価という。その通りです。

ふたつめ「その価額は、この通達の定めによって評価した価額による」⇒じぇじぇじぇ!
その価額をこの通達で決めちゃうの!!経済学を勉強した人なら、「そりゃマーケットが決めることでしょ!」と突っ込みたくなりますね。でも、通達で決めているんです。

 では、具体的な例としてみなさんの住んでる家について見てみましょう。
自分が住んでいる家の価額は、その固定資産税評価額に1倍を掛けた金額によって評価します。だから、家の時価は固定資産評価額と同じなのです。でも実際に固定資産評価額で売買されますか?普通はもっと高い値段で売買されます。だからこの場合には、世間で売買されるよりも安い値段が相続税の時価となるのです。
つまり、このトリックが最初に述べた節税対策の一つ。「評価の低い財産に変える」ということです。例えば、現金1000万円で新築住宅を購入した瞬間に、評価はおよそ700万円となり、たちまち300万円もの評価が下がってしまいます!!時価の計算方法を少しでも知っていると得してしまうのです。
                                                                        松本 浩康

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.08.26更新

遺言書が無かった為に、失敗した相続の事例。

 山田次郎さんは、妻花子さんと2人で小さな自動車部品製作の下請けをやって生活を行ってきました。やっと自宅のローンを払い終え、これから老後の蓄えを築いていこうとしていた矢先に次郎さんが交通事故でお亡くなりになりました。悲しみに暮れながらもやっと葬儀を終え、いざ自宅の名義の変更や預貯金の名義の変更をしようとしたとき、大変な問題にぶつかりました。
 山田さん夫婦には、子どもがいませんでした。次郎さんの兄弟は3人兄弟で太郎さんは次男でした。ご両親はすでに他界しており長男が家を継いでおりました。三男の弟さんは20代にお父さんと喧嘩をして家を出て行ってしまい、それからはまったく付き合いがありませんでした。
 次郎さんはまだ50代で若かったため、ご自分が亡くなるなんて思ってもいません。当然遺言書なんて夫婦二人とも考えてもいませんでした。しかし、いざ相続が発生しますと、相続の手続きに遺言書がないと兄弟全員の遺産分割協議書の署名か相続放棄の手続きをしないと、次郎さんの名義が花子さんの名義に変わらないことがわかりました。
 お兄さんは、次郎さん夫婦が苦労して家を持ったことを知っていますので、すんなり相続放棄をしてくれました。ところが三男の弟さんはすでに他界しておりお子さんがいました。手紙で相続放棄の依頼をお願いしたところ、突然弁護士から連絡が入り、「これからは弁護士の私が弟さんの子の代理人になりましたので、すべて私に連絡下さい。」と、その上「相続放棄しない」と言われました。
 自分たちの財産は、夫婦二人で築いてきたものです。なんで関係のない甥に財産を渡さなければいけないのでしょうか。奥さんは財産の一部を泣く泣く渡しました。

 このようなことは、意外とあるのです。特に兄弟に親戚付き合いがない場合や、兄弟の当事者が亡くなり子の代になっているような場合は、関係なくても財産がもらえるなら、もらおうという人が増えています。

 普段の親戚付き合いを大切にすることは必要ですが、一番良い方法は遺言書を作ることです。今回の場合兄弟には遺留分がありませんので、遺言書があれば何の問題もなく名義を書換えることが出来ました。
 
 お子さんがいないご夫婦や、結婚をしてない方で財産がある方は、ぜひとも遺言書を作っておきましょう。若いからまだ大丈夫と言うことはないのです。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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