相続担当スタッフブログ

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2016.09.25更新

平成27年1月1日から相続税の基礎控除が4割も減額され、今では誰でも相続税の対象になってしまう時代になってきました。事務所の相続税の申告も平成27年以降の申告は、今までなら申告対象でなかった人が何人もいます。それこそ自宅と現預金だけと言う普通のサラリーマンだった方が、相続税の申告をしています。
 そうなると今度は、いろいろなところで相続対策が騒がれ、いろいろな対策がインターネット等でも紹介されています。
 
  でも私は、簡単に誰でもできる相続対策は 生前贈与 だと思います。

 生前贈与による相続対策

 財産がある方が、生きている間に財産を子供や孫に贈与して財産を圧縮する方法が生前贈与です。簡単な例でその効果を説明します。

例 相続財産1億円
  相続人 子供2人(相続税の基礎控除額 3000万円+600万×2人=4200万円)

 1.何も対策をしないで亡くなった場合

  (1億円-4200万円 )÷2人=2900万円 子供1人に対する課税相続財産
   相続税は  (2900万円×15%-50万円)×2人=770万円
  1億円の財産に対して770万円の相続税がかかります。

 2.子供2人に毎年120万円を10年間生前贈与した場合

  贈与税の額
  (120万円-110万円(贈与税の基礎控除))×10%×2人×10年=20万円
   贈与で生前に子供に渡った財産  120万円×2人×10年=2400万円

  相続税は
  ((1億円-2400万円)-4200万円 )÷2人=1700万円
   (1700万円×15%-50万円 )×2人=410万円
     相続税と贈与税で  20万円+410万円=430万円

 なんと770万円-430万円=340万円も税金が減りました。
 時間が少しかかりますが、効果は確実です。
 どのように贈与するか、兄弟親子の関係などは考える必要があります。

 松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.08.15更新

死亡保険金を受け取った場合、法定相続人1人につき500万円の非課税枠があることは、前回説明しました。従って受け取った保険金が死亡保険金になるかどうかによって課税相続財産の金額が違ってきます。

1.死亡保険金と一緒に積立配当金などを受け取った場合

 死亡保険金を受け取ったとき、一緒に積立配当金や前納保険料も受け取ることがあります。これら積立配当金や前納保険料は死亡保険金ではありませんが、死亡保険金と一緒に受け取った場合はすべて相続により取得した死亡保険金とみなされます。

2.死亡後に入院給付金を受け取った場合

 また本人の死亡後に入院給付金や手術給付金などを受け取る場合もあります。生きている間に受け取った場合は所得税は非課税になります。しかし死亡後に相続人が受け取った場合は、これらは本来の相続財産になり相続税の対象になります。死亡保険金としては扱えません。

例  お父さんが亡くなり、相続人は妻と子供3人です。
      非課税金額  500万円×法定相続人4人=2000万円

① 死亡保険金1500万円・積立配当金50万円・前納保険料450万円を受け取りました。
    この場合、積立配当金・前納保険料はすべて死亡保険金として扱います。
    1500万円+50万円+450万円=2000万円.
    2000万円-2000万円(非課税金額)=0円 
    課税相続財産は0円です。
           
② 死亡保険金1500万円と入院給付金500万円を受け取りました。
    死亡保険金1500万円-2000万円=0円(マイナスは0円です)
    入院給付金500万円は課税相続財産になります。
   
 死亡に伴い受け取った保険金は2000万円です。しかし受け取った保険金の内容によって課税相続財産に500万円の差がでます。十分に注意しましょう。

  松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.08.02更新

 死亡した時に生命保険金を生命保険会社から受け取ることがあります。相続税の申告ではこの受け取った生命保険金は、みなし相続財産として相続税の対象になります。

  この死亡保険金は、受取人が相続人である場合は法定相続人1人につき500万円の非課税枠があります。例えば法定相続人が2人の場合は 500万円×2人=1000万円までは相続税はかかりません。

 ここで注意!!
 
  もし受け取った死亡保険金が、契約者貸付金を控除されて入ってきた場合はどうなるんだろう?

   生命保険は、保険契約の解約返戻金の範囲で保険会社から資金を借入れることが出来ます。この借入金を「契約者貸付金」と言います。
 死亡した人が、この契約者貸付金を利用していた場合、保険会社は死亡保険金の支払時にこの契約者貸付金を控除して支払うようになります。

 例えば1000万円の死亡保険金の生命保険契約で、500万円の契約者貸付金があった場合は 
   死亡保険金 1000万円-契約者貸付金 500万円=受取保険金 500万円

 手元に入るのは、500万円です。
 
 この場合相続税の申告書に
  ①生命保険金としては 1000万円を計上し、契約者貸付金は債務なので債務控除として500万円を計上する  

       ②受け取った保険金500万円を生命保険金として計上する

 正解は②の実際に受け取った死亡保険金500万円の計上です。生命保険には500万円の非課税枠がありますので、この処理を間違えると大問題です。例えば法定相続人が2人の場合

 ①の処理では  1000万円-法定相続人2人×500万円=0円
         債務控除   契約者貸付金  500万円 になり相続財産が500万円減少します。

 ②の処理では  500万円-法定相続人2人×500万円=0円           
                       債務控除はありません。

 結果相続税の課税価格が500万円も違ってきます。十分注意しましょう。
 松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.06.27更新

 相続財産の評価でなかなか難しいのが、株式の評価です。相続税の株式評価は「①上場株式②気配相場等のある株式③取引相場のない株式」の3つに区分して評価します。私たちのお客様の場合の多くは③の取引相場のない株式に該当します。

 取引相場のない株式の評価は、その会社が同族会社かどうか、またその株主が同族株主等かどうかによって、原則的評価方式か配当還元方式どちらかの評価方法によって評価します。経営支配力を持っている同族株主等は原則評価方式で評価し、それ以外の株主は配当還元方式で評価します。利益が出ている会社や、昔からの会社で会社の資産に含み益がある会社等は当然原則的評価方式の評価の方が配当還元方式より評価額は高くなります。従ってもし相続が発生したときに自分がどちらの評価方法になるかによって相続税が大きく違ってきます。

同族株主等か、それ以外の株主かが大問題   

 この区分によって、評価方法が原則的評価方式か配当還元方式に分かれますので、自分がどちらの区分に該当するかが大問題です。株式評価でよく間違えるのはこの区分です。

 私たちのお客様のほとんどは同族会社(贈与や相続が発生した時におけるその株式の発行会社の株主のうち、株主の1人及びその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の30%以上である場合)です。同族会社の同族株主は当然原則的評価方式よる評価になると思ってしまいますが、場合によっては配当還元方式になる場合があります。

同族株主等でも、中心的な同族株主のいる会社の場合は要注意!!

 同族会社で、同族株主のうち中心的な同族株主(同族株主のうち1人並びにその株主の配偶者・直系血族・兄弟姉妹及び一親等の姻族の有する株式の合計数が、その会社の議決権数の25%以上である場合におけるその株主)がいる場合で、5%未満の同族株主で中心的な同族株主でなく、かつ役員でない場合の株主は配当還元方式による株式の評価になります。なかなかわかりにくい判断ですので十分注意して判断してください。また税理士に確認するようにして下さい。

 例として、兄弟2人で株式を所有(兄80%弟20%)で弟が死亡した時、弟の相続人(配偶者・子ども4人)が各4%取得した場合は(会社の役員にはならない)、相続人全員が配当還元方式での評価になります。添付資料のマーカーで塗った部分になります。添付資料はこちら


松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.05.25更新

 昨年、相続税の大きな改正がありました。その一つが基礎控除の減額です。平成26年までは5000万円+法定相続人×1000万円でしたが、平成27年より3000万円+法定相続人×600万円になりました。これにより相続税の申告が大きく増加しています。
 当事務所も、平成26年まででしたら申告が必要でなかった申告が、平成27年の改正により申告が必要になったと言う申告が何件かあります。そしてその申告の特徴は、不動産はあまり所有していない方が多いことです。自宅の土地と建物、それから金融資産という方が基礎控除の引き下げで申告が必要になってきていると思われます。うちはそんなに財産がないから相続税なんか関係がないと思っている方も、もしかしたら申告が必要だったと言う場合もあります。先日も、飛び込みのお客様が「相続税がかかるかもしれないから」と相談にこられました。相続の登記はすでに終了していたのですが、登記をお願いした司法書士の先生が、「もしかしたら相続税がかかるかも」と心配になり税理士に相談に行くよう進められたそうです。事務所で計算の結果、基礎控除額を少しオーバーしていることがわかり申告することになりました。司法書士の先生に言ってもらえて無申告にならず、良かったです。無申告になりますと色々と優遇される制度の適用が受けられなくなります。
 このように、昔は土地を多く所有している方等資産家と言われる方だけが、相続税の対象と思われていましたが、改正によりごく普通の家庭でも、もしかしたら相続税の申告が必要だったと言うことがあります。少し気になる方は当事務所に相談に来てください。
  昨年そのような相談が3件ありました。

ここで一つ注意!!
自宅の土地に小規模宅地の特例を適用する場合は、申告が必要です。


 相続税の評価額を下げるため自宅の土地に小規模宅地の特例を適用する場合があります。この場合、自宅の土地の評価額を80%減額できる場合があります。大きな減額ですがこの特例は相続税の申告をすることにより認められます。小規模宅地の評価減を受けて基礎控除額以下になるからと言って申告しないと申告漏れになってしまいます。必ず申告してください。注意してください。そしてこの適用は期限内申告でも期限後でも認められます。

思い当たる人は、すぐ申告してください。

さらに注意!!
申告期限内に遺産分割が確定してること。


 小規模宅地の適用は期限後でも申告すれば認められますが、もう一つの要件に「申告期限内に遺産分割が確定していること」と言う要件があります。従って亡くなられてから10ヶ月以内に遺産分割協議を終了させていなければなりません。これにも注意してください。
 
 ただ、どうしても申告期限内に遺産分割協議がまとまらない場合は、申告期限内に相続税の申告をして申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出します。その後3年以内に分割が行われた場合に特例を受けることが出来ます。まあどちらにしても期限内に申告をする必要があります。

忘れずに申告しましょう。
松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.05.06更新




    

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.04.23更新

  贈与税の計算方法には、暦年課税制度と相続時精算課税制度があります。一般的によく使われるのが、暦年課税制度で1年間に110万円(基礎控除額)までなら贈与税がかかりません。一方相続時精算課税制度は、その適用に制限があり一度選択するとそれ以降の贈与はすべて相続時精算課税制度の対象になり申告が必要になります。また暦年課税制度へ変更することも出来ません。等手続きが複雑な為この制度はあまり使われていません。  さらに相続時精算課税制度は、相続が発生するとそれまでの贈与財産(相続時精算課税制度の対象財産)を相続財産に加算して相続税の申告を行います。この加算して相続税の申告をしなければいけないと言うことが、相続時精算課税制度を使うと相続税を必ず申告しなければいけないと思っている方が多く、やはり相続時精算課税制度を使わない原因になっています。

 でもこの制度を有効に活用することが出来るのは、次のようなケースです。

 ①最初から相続税がかかるほどの財産がない人は、相続時精算課税制度を使っても申告する必要はありません。

 相続税がかかるほどの財産がないことが明らかな場合は、相続時精算課税制度を利用して生前に贈与を受けることが、贈与を有効に使う方法になります。

 私も10年前に自宅を新築いたしましたが、このとき親から1000万円の贈与を受け相続時精算課税制度を利用しました。(この時代今のように親からの住宅取得資金の贈与の非課税の特例がありませんでした)

 ②相続の時もめる可能性がある場合は、この制度を使って財産を先に贈与しておこう。

 ただし、税制が変わる場合もありますので将来にわたって申告が必要ないとは限りません。平成27年度の相続税の改正で基礎控除額が4割カットになりました。平成26年までは相続税がかからなかった人も、平成27年以降相続税がかかる人は増加しています。この場合相続税・贈与税の税額だけで得か損かを判断すると相続時精算課税制度は損になる場合があります。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.04.01更新

以前のブログで相続人がいない場合は最終的にはその財産は国に帰属されると書きましたが、最近読んだ本(相続税トラブルの原因と防止策)にそうならない場合があることが書かれていましたので紹介いたします。

 不動産を共有している場合の注意

 不動産を共有所有していることは意外とあると思います。たとえば以下のような関係で所有していた場合はどうなるのでしょう。


   甲の所有している土地は父から相続で取得した土地で乙と共有になっています。この場合甲が亡くなりますと相続人は誰もいません。叔父乙は甲の相続人ではありません。
 相続人がいない場合は、通常相続人不存在の確定手続き(2013.12.23ブログ参照)を経て国に帰属になります。
 しかし民法は「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」と定めています。また相続税も「共有者の一人が死亡した場合において、その者の相続人がいないときは、その者に係る持分は他の共有者が遺贈により取得したものとして取り扱う」と相続税法基本通達9-12で言っています。従って甲の所有している土地の1/2の所有権は乙に遺贈されることになり、もしそれが基礎控除額を超える場合は相続税の申告と納税が必要になります。

 相続人でなくても、財産を取得して相続税の申告をする必要があります。注意!!!

  追伸 ただし、特別縁故者がいてその人に財産分与があった場合は、そちらが優先になります。

   松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.01.31更新

  平成27年から相続税が大きく改正され、大幅に増税になりました。そして世の中は相続対策のセミナー等が多く開かれています。しかし、その対策はあまりにも相続税の納税額を少なくすることに偏っているため、それ以外のところで多くの問題が発生する場合があります。今回は、その間違った対策のひとつをお話しします。

相続税対策で、生前に子供へ贈与

 相続対策で納税額を減らすために生前に、子供へ贈与をする対策があります。相続税の税率が30%の方が、その30%以下の贈与税の税率の範囲で贈与することで、その税率の差額分が節税になるという対策です。また配偶者に贈与をしても、その配偶者の相続で納税が出てしまう場合があるので、配偶者への贈与より子供へ贈与する方が有効な対策になります。
 
子供が親より先に逝ってしまった!!

 しかし、亡くなる順番は確定していません。自分の子供が先に亡くなることがあります。子供が先に亡くなった場合、その財産は子供の配偶者や孫に相続されてしまいます。私の過去の事例でも長男にアパートを生前贈与された方が、その長男が交通事故で亡くなってしまいました。そして、そのアパートが奥さんの財産になってしまい、その奥さんは実家に戻ってしまいました。この財産を取り戻すことは出来ませんでした。実家に戻った奥さんが自分たちの面倒を看てくれることはありません。
 長男がある程度の年をとって、孫たちも成人し自分達の家族・家系を守っていくという意識が育っていた後ならば、生前贈与しても家族・家系の財産として守り引き継がれていくと思いますが、その意識がないうちに生前贈与を行うと財産は、自分達の家族・家系から消えていきます。そのことを十分に理解して生前贈与を行いましょう。

 とは言え、生前贈与は相続対策の有効な手段のひとつには違いありません。
 上手に使って無駄な税金を払わないようにしましょう!!

松井 稔幸
 

投稿者: 税理士法人あけぼの

2015.12.24更新

先日、家族信託についてのセミナーに参加しました。過去にも聞いたことはありましたが、具体的な話を伺ったのは初めてでした。

 日本は超高齢社会!!

 日本は超高齢社会(65歳以上の人口割合が21%以上の社会)になっています。その高齢者のうち認知症患者及びその予備軍の割合は25%になってきています。
 と言うことは高齢者で不動産を持っている方が認知症になる確率は高くなってきていると言うことです。認知症になった場合、その資産の売却や活用、相続対策は出来なくなってしまいます。そして、そのようなときは「成年後見制度」で、これまでは対応してきました。しかし「成年後見制度」は手続きが面倒で、柔軟な資産運用が出来ませんでした。(家庭裁判所に後見の申立からはじまり、資産管理等の報告まで行います。)

 そこで「家族信託」が有効!!

 今までは「成年後見制度」でしたが、平成19年9月に信託法が全面改正され「家族信託」が出来るようになりました。「家族信託」とは、簡単に言うと信頼できる家族・親族に財産を託し、費用を抑えた形で柔軟な財産管理と資産承継を行うことです。
 たとえば、母親が1人住まいの古屋を残し老人施設に移ったような場合、自分の子供にその古屋の管理をまかすような場合に、母親を委託者・受益者にして子供が受託者となる「家族信託」契約をまだ意志能力があるうちに結びます。そうしておけば、将来母親の意志能力が衰えてしまっても信託契約の定めに従って財産管理が行われます。

 「家族信託」のメリット!!

  1.誰でも気軽に利用でき、家庭裁判所や信託銀行を介在させることなく、家族間の契約で作れる自由な制度
  2.生前の財産管理手段として、「成年後見制度」の代わる選択肢
  3.生前に遺言書と同じ効果をもつ
  4.相続における財産承継の順番づけが可能
 
   ただし、「家族信託」を行ったからと言って、相続税が安くなるわけでも、家族間のもめ事がなくなる訳でもありません。

あくまでも資産運用・資産承継の方法の一つです。
松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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