相続担当スタッフブログ

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2017.09.02更新

「縄伸び」と言う言葉を知っていますか。私たち相続税の土地評価をしていると、よく使われる言葉です。
意味は、土地の実際の面積が、土地の登記簿に記載されている面積より広いことを言います。


言葉の由来は、昔お米で税金を納めていた頃、税金の額は田んぼも面積で決められました。従って農家は税金を少なくするため、農地の面積を測る検地の時に使う縄の目盛りを長めに打って面積を少なくしていました。これが縄伸びの状態です。その時に作った土地台帳が今に引き継がれているため、「縄伸び」の状態も引き継がれたようです。そして現在実際の土地の面積が、登記簿の面積より広い場合が多いのです。山林や農地・古くから引き継いでいる土地などに多く見受けられます。
また、平成16年の不動産登記法が改正される以前は、土地を分筆する場合は、分筆する土地だけを測量して元の土地の面積から引いて残りの土地の面積としていました。(残地求積と言います)

 

例えば
    分筆する前の土地 豊橋市曙町宮前10番   800㎡(実際は1,000㎡)
    2つに分筆 分筆した土地     10番2  500㎡  
                             元の残地       10番1 300㎡ (実際は 500㎡)

 

こうして分筆を何回か行うと、その土地の不足分はすべて一番元の土地に集約されることになります。私の関与先の社長さんの土地も、登記簿上は30㎡の土地の上に82㎡の自宅が建っていると言う不思議な状態になっている場合もありました。

この「縄伸び」した土地を相続した場合、この土地の相続税評価をどうするのでしょうか?

相続税の土地の評価は、登記簿の面積ではなく実際の面積で評価することになります。相続税の申告の依頼を受けますと、私たちは必ず現地に行って土地を測量(私たちがメジャーで測ります)をします。それで計算した面積と、登記簿の面積が大きく違っている場合は、測量士に依頼して測量してもらうか、私たちの簡易測量で実際の面積を計算して、実際の面積で申告します。

 

税務署も「縄伸び」に注意してますので、登記簿の面積が正しいと思わず、相続税を申告する際は、実際の面積を必ず確認して申告しましょう。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.08.04更新

 前回、「空き家」を相続して、そのままにしておくと大変費用が掛かることをお話しました。今回は、「空き家」を相続したらどうしたらよいか、その対策のお話をします。

 

1.相続人または相続人の関係者(子や孫)が住む
  持ち家がない方が、自宅として使用する。(諸規模宅地の評価減が受けられる場合があります。)

2.貸家として貸し出す
   今は住まないが、将来は子供が住むようになる場合等は、とりあえず貸家として人に貸して収益を上げる。ただし、すぐ借り主が現れない場合や、貸し出すにあたりリフォームをしなければならない場合があり、その費用が多大になり採算にのらないこともあります。また、一度貸し出すと借り主が住んでいますので、住みたい時にすぐ住めるかどうかわかりません。

3.駐車場として貸し出す
   貸家では、採算にのらない場合は、建物を取り壊して駐車場として貸し出します。取り壊し費用が掛かり、固定資産税も上がりますので、その費用を駐車場収入で回収出来るかシミュレーションする必要があります。しかし、いつでも家を建てたり、売却することが出来ます。

4.売却する
   前々回にお話しした、3000万円の特別控除が適用できる場合は、売却することがおすすめです。しかし特例の要件に該当しない場合は、譲渡税が発生します。(ただし、相続財産を売却した場合の取得費の特例を受けられる場合があります。)また、すぐ売却できない場合もあります。

5.現状のまま維持する
   なにもしないで現状のまま維持する場合は、維持費(固定資産税)が掛かり、最悪強制撤去になった場合は、その撤去費用の支払いがきます。また、強制撤去にならないようにするには、しっかりと建物の管理をしなければなりません。

 

 その建物の状態や不動産の場所等によってかかる費用も、受ける収益等も変わってきます。「空き家」を相続してからでは、なかなか対策がとれません。相続が開始する前に、家族でこの「家」をどうするか話合いましょう。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.07.02更新

 前回、「空き家」を売却した時の3000万円控除の特例の注意点を、お話ししました。今回は、そもそも「空き家」になった場合の問題点を考えてみました。

1.維持するには、お金がかかる

 相続で取得した家に誰も住まなくなった「空き家」は、どうなるでしょうか。街のいたるところに、見るからに誰も住んでいないような住宅が点在します。そして中には、ゴミ屋敷のようになっている場合もあります。家は人が住んでいるからこそ維持されますが、人が住まなくなると、あっという間に劣化していきます。ゴミがゴミを呼ぶようなこともあります。また、犯罪の温床になったりもします。そのため、誰も住まなくなっても、その維持管理をしなければなりません。遠くに住んでいると管理する為に戻る、交通費がかかります。管理会社に委託すれば、委託料がかかります。

2.役所による解体費用

 お金がかかるからと言って、そのまま放置し草ボウボウにしておくと、役所から「空き家対策特別措置法」により、行政代執行によろ強制的な解体が行われ、その費用の支払いがやってきます。

*行政代執行までの流れ
①放置することで安全上・衛生上・景観上等に問題がある空き屋に対し、改善が必要な「特定空家等」に認定します。
②空き家の所有者に、助言・指導・勧告等行い、従わない場合は改善命令を出します。
③改善命令にも従わない場合に、行政代執行による解体が行われます。
④代執行にようした費用の徴収が行われます。

3.固定資産税が5倍になる

 通常住宅が建っている土地の固定資産税は、小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下)の特例で、更地の1/6に軽減されています。都市計画税は1/3に軽減されています。しかし、役所から「特定空き家」に認定され勧告をうけると、これらの軽減が受けられなくなります。解体して更地になった場合も同じです。 

例 固定資産税評価額  3,000万円の土地(200㎡)
①住宅が建っている場合  固定資産税 7万円 都市計画税 3万円 計10万円
②住宅が建っていない場合 固定資産税 42万円 都市計画税 9万円 計51万円

「空き家」に認定されると、合計で10万円と51万円になり、5倍の差がでます。


 「空き家」にしておくと、大変多くの出費があることがわかりました。従って、相続が発生する前から、これらの家をどうするか家族でしっかり話し合っておく必要があります。
(次回、「空き家」対策について考えます。)

 

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.05.31更新

 今年もすでに3件の相続税の申告をしてますが、その内2件が実家を相続しましたが誰も住む人がおらず、空き家になっています。このごろの相続は、少子化の影響で親と子が別々に生活をしており、実家を相続しても住まない場合が多くなっています。これが、今国で問題になっている空き家問題です。 そのため、国は空き家対策として、2016年4月1日以降、相続で取得した空き家を売却した場合に、譲渡所得から3000万円の特別控除を受けられるようになりました。

 この特例を適用するためには、次の条件を全部満たす必要があります。

1.1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家屋であること。(旧耐震基準で建てられた家屋)
2.区分所有建築物は除外されてます。(マンションは適用対象外)
3.相続する前、被相続人(亡くなった人)が1人で住んでいた居住用家屋であること。(相続開始により空き家になった場合のみ適用)

 以上の条件を満たす建物と土地を、次の条件で売却した場合に、この3000万円の特例が適用できます。

1.相続開始から譲渡する時まで、居住・貸付・事業に使用していないこと。
2.耐震改修工事を行い、新耐震基準に適合する建物に改修して売却するか、建物を解体して土地だけで売却した場合。
3.譲渡(売却)期間は、2016年(平成28年)4月1日から2019年(平成31 年)12月31日までに売却した場合。(平成25年1月2日以降に発生した相続が対象です)
4.相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡(売却)した場合。
5.売却額が1億円以下であること。
6.所在市町村から要件を満たす証明書類を取得し、確定申告に添付して申告すること。

 相続した実家が空き家の場合は、ぜひこの特別控除の適用ができるか検討して下さい。そして、そのまま不動産を維持していくのか、売却した方がいいのか考えてみてください。 わからない時には、お近くの税理士に必ず相談してください。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.05.01更新

 先月4月30日の時事通信のニュース配信に「アパート融資の膨張警戒=建設過剰で空室増も」(日銀)とありました。銀行が賃貸住宅の建設資金を個人に貸し出す「アパートローン」が膨張を続けているようです。日銀によると、2016年の融資額は前年比21.1%増の3兆7860億円に達し、比較可能な過去10年以降で最大になったそうです。そうなると過剰な貸家建設で空室が増え、ローンを返済できなくなる大家が続出することが懸念され、日銀は警戒を強めています。

 アパート建築が増えた背景には、①平成27年の相続税の改正により基礎控除が4割下がり、誰もが相続税の納税対象者になるようになり相続税の節税対策商品としてアパート建設を、建設業者が積極的に販売したこと。また、②日銀のマイナス金利導入により銀行のの収支が悪化し、不動産担保で借りてくれるアパート経営者への貸し出しを銀行が積極的に行ったことによります。

 不動産庁舎会社のタスの調べによれば、首都圏の賃貸アパートの空室率は2015年半ばから上がり始め、現在東京23区では34%まで上昇してきています。このまま増え続ければ、アパート経営が採算割れする物件も増加します。

 それでも、建設会社や銀行の中には、本当に相続税の節税になるか疑わしいものまで、建設を進めている場合があるようです。そのため、日銀と金融庁はアパートローンを伸ばしている銀行に対して、実態検査に入るようです。その相続税の節税対策が、効果があるのかどうかチェックするのです。

 

 でもこれは、今相続対策でアパートを建設しようと思っているあなたが、チェックをしなければいけないことです。

 

 将来あなたがアパートを建築したことで、相続税の節税効果以上の負担をしてしまうようになったら、その相続対策は失敗です。それは、あなたの子供たちや孫たちに、負担を強いてしまうのです。

 

 そのようなことにならないように、アパート建設前に税理士に確認しましょう。もし建設会社が税理士を紹介するのであれば、もう一人他の税理士に、意見を聞くことをお勧めします。

                                                                                                                              松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.03.31更新

 今年の1月31日、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)において、「相続対策のための養子縁組でも直ちに(養子縁組が)無効になるとは言えない」と言う判断を示し、相続対策の養子縁組を認める判決が下されました。 私たちも相続税対策で養子縁組の話をしてきましたので、一安心したところです。

 今回は、相続税対策の一つである養子縁組のメリットとデメリットをお話しいたします。

 現在相続税法では、法定相続人の数に含めることが出来る養子の数は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までになっています。民法上では、養子の数に制限はありません。

(1)養子縁組のメリット(法定相続人の数が増える)

 1.相続税の基礎控除が増える(法定相続人1人につき600万円)

 2.生命保険金の非課税枠が増える(法定相続人1人につき500万円)

 3.死亡退職金の非課税枠が増える(法定相続人1人につき500万円)

 4.相続税の税率が下がる(相続人の取得する相続財産が減るため)

 養子縁組をしますと、法定相続人の人数が増えますので、それにより各控除が増え相続税が少なくなると言うメリットがあります。

 しかし、相続税は確かに少なくなりますが、それ以上に大きな問題が発生する可能性が出てきます。 

(2)養子縁組によるデメリット

 1.養子縁組を行うと言うことは、他の相続人にとってみれば自分の相続分が減ることになりますので、遺産分割においてもめることがあります。(争続になります)事前に他の相続人に了解を取っておくことを、おすすめいたします。

 2 .孫を養子縁組した場合は、その孫に係る相続税は2割増加します。(相続を1回飛ばしたと見なされるため)
 3.養子縁組を解消することが難しい場合が多い。

 相続税は減っても、相続人の間で醜い相続争いになってしまい、親族崩壊になってしまっては、何のための相続対策かわかりません。それだけ養子縁組は大きな問題を含んでいますので、十分話し合ってから実行してください。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.03.01更新

今確定申告に、毎日頑張っています!!

 今回の平成28年の確定申告から、申告書にマイナンバーの記載が必要になりました。ついにマイナンバーの時代がやってきました。 今後定着するかは不明ですが、このマイナンバーの導入による相続税の影響を考えてみました。

 相続税の申告で一番大変なのが、亡くなられた方の預金や有価証券の把握です。お子さんと同居されていて、お子さんがすべての財産を把握している場合は問題ないですが、そのようなことはまで、ほとんどの場合が亡くなられた方本人が管理してますので、遺族は相続財産が分かりません。過去に、相続の税務調査で税務署が預金漏れを指摘して、相続人が初めてその預金の存在を知ったと言うことがありました。

 預金口座や証券口座などには、平成33年からマイナンバーの記載が義務化の予定になっています。こうなりますと国は亡くなった方の預金や有価証券等の相続財産を完全に把握することが出来、よりいっそう相続税の徴収が厳しくなると思います。

 しかし国が相続財産を完全に把握できるなら、その情報を相続人が国に請求した場合は、開示してくれなければ不公平ではないでしょうか。相続人が開示請求できれば、今より財産調査に時間を費やすことなく正確に計算できることになります。相続人も、後でもめることがなくなると思います。

 また、今までのような生前贈与による相続対策も、預金間の動きが国に完全に把握されますので、しっかり贈与したと言う証拠を作らないと、今まで以上に名義預金とされてしまいます。ご注意を!!

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2017.01.27更新

あけましておめでとうございます。今年もガンバって相続に関するブログを書いていきます。よろしくお願いいたします。

 年明け早々に、相続の申告書を作成していますが、今回の申告もお子さんがいないお客様で、兄弟が相続人になっています。夫婦で一生懸命作ってきた財産が子供がいないばかりに、兄弟に渡ってしまいます。まだまだ若いからと遺言書は考えていなっかたようです。

 2013年の8月のブログにも書きましたが、夫婦に子供がいない場合や結婚されてない場合は親に相続権が発生しますが、親がすでに死亡している場合は、兄弟姉妹に相続権が移ります。現代は結婚しない人や、子供がいない夫婦が大変増えています。このような人は、自分の財産、夫婦の財産が兄弟姉妹に移ってしまう場合があります。財産をどうするか若いうちから話し合っておきましょう。

 兄弟姉妹には遺留分の権利がありませんので、遺言書を作成しておけば財産を取られる(?)ことはありません。

 また、兄弟姉妹には再婚されてる場合は前の配偶者の子供も含まれます。相続が発生してから戸籍を調べたら、前妻に子供がいたと問題になる場合も多くあります。今まで会ったこともない異母兄弟に財産を取られてしまいます。(?)

このような場合にも、遺言書があればと思います。

財産を持ったら、まず遺言書を作成しましょう。

 松井 稔幸 

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.12.18更新

  前回2回にわたって、相続対策としての生前贈与の効果を説明してきました。私のお客様でも、奥様への自宅の贈与を実行された方がいらっしゃいます。その時、問題が発生しましたので、今回はその問題をお話しいたします。

 今回、奥様へ自宅を贈与される方は、配偶者への居住用の財産の贈与の特例の要件は全て満たしていました。問題は、贈与される宅地が広く自宅のほかに同じ敷地内にアパートが建っていました。自宅とアパートは一筆の土地の中に建っています。この場合、土地の評価の2000万円までは、持分贈与して問題がないのでしょうか。

答えは、このまま持分贈与を行うと、贈与税がかかってしまいます。

 配偶者への居住用財産の贈与は、あくまでも居住用財産の贈与です。同じ敷地内にアパートが建っていれば、アパート部分の贈与が行われたとして贈与税がかかります。

例えば 自宅の敷地   200㎡   敷地全体に対する割合   2/5
    アパートの敷地  300㎡          〃        3/5

土地全体の相続税評価額  5000万円 (貸家の評価減等は考慮してません)
自宅部分の相続税評価額  5000万円×2/5=2000万円

 単純に敷地面積の割合で自宅を評価すると2000万円で、2/5の持分の贈与を行うと贈与税の特例の範囲内になり、贈与税はかからないと思ってしまいます。
 しかし持分贈与は自宅部分・アパート部分と区別は出来ません。

従ってこの場合、 
    2/5(2000万円)のうち  自宅部分は  2000万円×2/5= 800万円
                       アパート部分 2000万円×3/5=1200万円
 贈与税は居住用部分800万円に対してはかかりませんが、1200万円にはかかります。
 贈与税額
(1200万円-110万円(暦年贈与の基礎控除額))×45%-175万円=315万円

さあ、大問題です。どうしたらいいのでしょうか。

 解決策は、自宅とアパートの敷地を分筆することです。分筆することで敷地すべてが居住用財産になり、配偶者の居住用財産の特例を100%受けることが出来ます。

 事例のような場合は注意してください!!


 注意:ただし、店舗兼住宅のような一つの建物の中に居住用とそれ以外の用途がある場合の共有持分は、優先的に居住用部分とすることが認められています。(相続基本通達21-6の3)

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

2016.10.30更新

前回、誰でも出来る簡単な相続対策として、生前贈与による相続対策を紹介しました。
 今回は、その生前対策を実行するに当たっての注意点を、説明いたします。

注意点その①
 「効果が出るまでに時間がかかること」及び「相続開始前3年以内の贈与財産の加算」

 贈与税の税率は相続税の税率より高くなっています。その為、低い税率で行うためには贈与する回数を多くしなければ効果はありません。従って、贈与する相手が少ない場合は贈与する年数を多くしなければなりません。前回の例示の場合も10年と長い年月を必要としています。短い年月で効果を上げようとするには、多くの人に贈与する方法になります。例えば子供以外に孫にも贈与する等が考えられます。また相続人に贈与した場合は、相続開始前3年前の贈与財産は相続税の課税財産に加算されてしまいます。計画的な贈与が必要です。

注意点その② 不動産の贈与の場合

 現預金があれば簡単に贈与できますが、不動産の場合は登記費用・登録免許税・不動産取得税等費用が相続の場合より多くかかります。
贈与の場合 登録免許税 固定資産税評価額の 2.0% 取得税 3%
相続の場合 登録免許税 0.4% 取得税 非課税(相続人の場合)

 例えば、固定資産税評価額2000万円の土地を贈与した場合には、登録免許税40万円・取得税60万円と司法書士の報酬がかかります。でも相続の場合は、8万円の登録免許税と司法書士の報酬ですみます。大きな差が出ます。

 不動産を何年かにかけて名義を変えていく場合は、これら費用と節税額の効果の比較が必要です。

注意点その③ 一番の問題は、「あげたつもり!!」の場合が多い

 生前贈与は相続税の節税に効果があると言うことで、実行する方が多くいますが、そこには大きな勘違いがあります。たとえば子供名義の通帳を作ってそこに預金を移動しても、本当に贈与したとは言えません。預金には名義預金と言う言葉があります。子供に渡してしまうと使ってしまうから今は親が管理しておこうと考え、通帳の印鑑を親が持っている場合は税務署は名義預金として親の財産として見ます。贈与したとはみてくれません。贈与を認めさせるためは、

  ・贈与証書を作成し、互いに自筆で署名する
  ・通帳と印鑑は贈与された人が管理する
  ・贈与された人が自由に使用することが出来る 等が必要です。

 

注意点その④ 相続人の間でもめる

 特定の子供や孫にだけ贈与すると、相続人の間でもめる場合があります。
 相続財産を多くもらいすぎている相続人に対して、少ししか相続財産をもらっていない相続人が、遺留分(民法の定めによる相続人が相続できる最低限の権利)を返してくださいと言う「遺留分の減殺請求権の行使」を行う場合もあります。

注意点その⑤ 親子関係や子供の将来

 親子関係が悪くなったり、子供や孫の人生を狂わせる場合があります。
贈与を現金で受けると、もらった人は1回目はありがたく思いますが、何年も続くとそれがあたりまえになってしまい、親や祖父母に感謝の念を持たなくなり、逆にもらえないと不満が出る場合があります。また子供の金銭感覚おかしくなったり、働かなくなる場合もあります。

注意点その⑥ 老後の生活資金

 贈与する人の、老後の生活資金まで贈与してしまっては意味がありません。相続税の節税に一生懸命になって自分の生活が出来なくなっては本末転倒です。

 以上のように、色々な問題もありますので十分にこれらのことも検討して実行しましょう。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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