ご存じのように、相続税は亡くなった日に所有している相続財産に対して課税されます。
従って相続開始日の財産が誰のものであったかが、大問題なのです。
お孫さんの預金が、当然贈与されているのでお孫さんのものであれば相続税の対象外となります。
しかしお孫さんの名義ではあるが、お孫さん自身が自分の預金と思っていなかったり、自分で自由に使えなかったら、本当にお孫さんのものと言えるでしょうか。
税務署は贈与したと言っているが、「本当はお孫さんの名義を借りただけ」と思っているのです。
勿論税務調査官によっては、やはりそれはお孫さんのものだとの心情的には思っていても、法的には課税するとの優しい(?)方も見えますが、納税者から見ると「そんなばかな」と思ってしまいます。
★財産を贈与して、受け取った方が実際にその財産を使用していれば問題はありません。
現金預金を贈与して車を買っていたとか、家を贈与してそこに住んでいたとか、株式を贈与して配当は小遣いにしていたとか、誰が見ても贈与と判るものは全然問題とはなりません。
○前回の質問にどう答えますか。答え方によっては贈与が否認されたり、多く課税されたりします。
①定期預金証書をお婆ちゃんが持ってきたら、本当に贈与したのか、孫の名義を借りたのかの判断ができなくなります。
(贈与)とは民法で次のように規定されています。
第549条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
②定期預金は、銀行員とお婆ちゃんとで作ったとなると、孫は貰ったというのを認識していない。
だから贈与は成立していないと言われる恐れがあります。
③④⑤⑥
銀行印をお婆ちゃんが持っていたとすると、孫の管理下になく、孫が自分のものとの認識もないの では。自分のものと思っていなければ、贈与は成立しなくなるし、印鑑がお婆ちゃんが持っていた とすると全く自由に使えない状態であるので、これも贈与したとは言えなくなってしまいます。
ではお婆ちゃんでなく、お母さんが預かっていたとしたらどうでしようか。
これも貰った本人が自由に使えないから問題にはなります。
⑦これから毎年クリスマスに110万円を贈与すると決めたのです。・・・・・この答えだと贈与の額は「毎年とか、何年間贈与する」と決めた時点の総額が贈与税の対象となります。
★銀行に行って定期預金の申込書の筆跡を見たら、お婆ちゃんでした。
この時お孫さんは一緒に銀行に行っていますか、これも一人で作ったと言われそうですね。
◆贈与税は110万円で申告不要ではなく、111万円を贈与して、積極的に証拠作りとして申告をしましょう。申告してあれば「定期預金は親権者である親が管理している」と主張できます。
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